【改訂版】投資助言・代理業に登録する際の職務経験の要件:③コンプライアンス担当者











 投資助言・代理業者において、コンプライアンス担当者は、法令遵守状況の確認、内部規定遵守状況の確認、顧客対応の適正性の確認、業務改善提言の作成などを通して、日々の業務における法令遵守や内部規定の遵守状況を確認し、適切な業務運営を行うための指導・助言をその職務としています。
 このような職務を行うコンプライアンス担当者には、金融商品取引業及び金融商品取引法におけるコンプライアンスに関する知識や経験が求められると同時に、登録の際には、次のような職務経験や能力が求められます。

①金融商品取引業におけるコンプライアンス担当者としての実務経験が最低3年程度必要となります(※2007年9月30日に施行された金融商品取引法以前のコンプライアンス担当者としての経験では知識・経験として基本的に認められません。従いまして、金融商品取引業者でコンプライアンス担当者として勤務経験のある方の採用を検討する際は、その方のコンプライアンス担当者としての勤務期間が2007年9月30日以前なのか以後なのかをよくご確認の上採用を行ってください)。
②ただし、実務経験が3年未満の場合でも、弁護士として金融商品取引業関係の案件を扱った経験がある方や外務員資格を保有している方、業界団体や協会で実施されている各種研修の履修をされた方などは、登録審査の際にプラスに評価されるようです。

 十分な職務経験や能力を持つコンプライアンス担当者を確保できない場合、「弁護士等の社外の専門家にコンプライアンス業務を外注することで対応できますか?」というご相談をいただくことがありますが、一切社内にコンプライアンス担当者を置かずに投資助言・代理業の適切な業務運営をしていくことは実際には困難であり、外部に委託する場合でも、コンプライアンス担当者を置いていただかないと登録することはできません。
 ちなみに、外部委託を前提にして社内に置くコンプライアンス担当者についても、一定の実務経験や業務知識を持つ方である必要があります。従いまして、外部委託を行う場合でも、全く実務経験や業務知識の無い方を形式的に社内のコンプライアンス担当者にしても適切な担当者として認められませんのでご注意ください。
 コンプライアンス業務を弁護士等の社外の専門家に外注する場合、業務内容と範囲、当該専門家の経験と専門性によって発生する業務報酬は上下することになりますが、そもそも投資助言・代理業者を含めた金融商品取引業者のコンプライアンス業務を受託できる専門家は限られており、行おうとする業務やその規模にもよりますが、外部委託する際の業務報酬も高額になりがちなようです。

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