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1月, 2024の投稿を表示しています
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2024年に投資助言・代理業者とIFA(金融商品仲介業者) のビジネスに影響を与える可能性のある制度変更等  2024年に投資助言・代理業者とIFA(金融商品仲介業者)のビジネスに影響を与える可能性のある制度変更には、2024年1月から始まる新NISA制度と2024年の春頃に金融経済教育推進機構の設立が予定されています。  今回は、新NISA制度と金融経済教育推進機構の設立が投資助言・代理業者とIFAのビジネスに与える影響について解説します。 ◇新NISA制度がビジネスに与える影響  2024年1月から開始される新NISA制度は、非課税保有期間の無期限化、口座開設期間の恒久化、つみたて投資枠と成長投資枠の併用が可能になり、年間投資枠も拡大されることを特徴としています。  この新NISA制度をきかっけに、個人による投資活動の活性化が期待されます。また、個人の投資活動の活性化にともなって投資助言・代理業者やIFAのような専門家に相談することが日本社会でより一般的なものになることも期待されます。  一方、新NISA制度の開始を受けて外国の証券会社等が日本でのビジネスにより力を入れるようになることも予想され、このことによって、日本の金融ビジネス市場での競争が激化することも予想されます。 ◇金融経済教育推進機構の設立がビジネスに与える影響  2023年11月20日の衆院本会議にて金融経済教育推進機構の成立に関する法案が可決・成立しました。  同機構は、金融経済教育の教材・コンテンツの作成、中立的なアドバイザー(以下認定アドバイザーと表記)の認定・教育等を目的として認可法人として2024年春に設立される予定です。  認定アドバイザーの認定要件等の詳細は、現時点では明らかになっていませんが、認定要件等が明らかにされれば、今まで人的要件等の参入障壁によって投資助言・代理業者への登録ができなかった事業者が認定アドバイザーとして金融ビジネスへ参入する道が開けるかもしれません。  投資助言・代理業者やIFAとして金融ビジネスへの参入を考えている事業者は、認定アドバイザー制度の詳細が明らかになってから、投資助言・代理業者・IFA・認定アドバイザーのいずれが自社のビジネスに適しているのかを見比べてから本格的な参入を考えてみるのも良いのではないでしょうか。 ◇補足:助言対象を限定した投資助言業
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アメリカでのビットコインETF承認が投資助言・代理業とIFA事業者(金融商品仲介業)に与える影響について    2024年1月10日アメリカでビットコインETFが承認されました。この出来事が投資助言・代理業とIFA事業者のビジネスに与える影響について解説します。 ◇アメリカでのビットコインETF承認の概要  2024年1月10日アメリカの証券取引委員会(SEC)が代表的な暗号資産の一つであるビットコインの現物ETF(上場投資信託)11本を承認しました。  これにより、ビットコインの現物ETFがアメリカで初めて承認されたことになります。  ビットコインのETFの上場認可は、今回の事例が初めてではなく、2021年にはカナダでビットコインの現物ETFが承認され上場しています。また、ブラジルの証券取引所でもビットコインのETFがすでに承認されています。  アメリカで、ビットコインのETFが上場されることで、投資家は、SECの監督下にある証券会社の証券口座を通して、株式などと同様にビットコインETFの売買を行うことができます。  今回のアメリカでの承認で、世界最大規模のETF市場であるアメリカでビットコインETFが上場されることとなったことは、ビットコインのステータスを大きく高めることになりそうです。  また、今回の承認は、ビットコインを含めた暗号資産全体のステータスをも高めるきっかにもなり、投資家がこの分野への投資をより積極的に行うようになる呼水になるかもしれません。  一方で、Vanguard Gropのように、暗号資産の価格変動が激しい事、暗号資産の市場が未熟であること、暗号資産への投資には高いリスクが伴うことを理由に、暗号資産に関するETFを取り扱わないことを現時点で、決定している証券会社や資産運会社もアメリカにはあるようです。  現在は、投機目的で保有されることの多いビットコインをはじめとする暗号資産ですが、健全な投資対象として発展していくためには、実際に社会において有益な役割を果たすことが求められることになりそうです。 ◇投資助言・代理業者とIFA事業者に与える影響  アメリカでのビットコインETFの承認は、日本でも暗号資産への関心を高めることになりそうです。  海外では、若い世代ほどビットコインを含めた暗号資産への投資に関心を持っているとされています。  この傾
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  投資助言・代理業に登録する際の職務経験の要件:⑤システム担当者が求められる事例    前回までの記事で、①~④の投資助言・代理業に登録する際に、必ず必要となる人的要件の解説をしてきましたが、今回は、投資助言・代理業者としてシステムトレードや自動売買、人工知能等を用いたサービスの提供をお考えの場合、システム担当者が求められることがある点についてご紹介します。 ◇システム担当者に求められる人的要件  このような事例は、あまり多くないのでシステム担当者に求められる職務経験について明言することは難しいのですが、扱うシステムや事業規模によって条件が変わってくるとが予想されるものの、システム担当者としての十分な職務経験として認められるためには、他の人的要件等を参考に考えますと扱うシステムに関する保守管理経験がおそらく3年程度求められることになるかと思われます。  加えて、こうしたシステム担当者の設置が求められるような事例では、システムに障害が発生した際に顧客に損害が発生する恐れがあること等からシステムの内部規定の策定、システムの安全性確保、システムの運用状況の管理、システムの障害発生時の対応に関する規定等を定めておくことが求められると考えられ、登録に際しての審査もより厳格になると思われますので、登録前の事前準備がより重要となります。  現在、人工知能が役所や企業等の業務を補助するために採用される事例が増加していることから、将来的には、投資助言・代理業でも業務に人工知能を用いることが一般化してくものと思われます。その結果、投資助言・代理業者がシステム担当者を置くこともより一般化するものと思われますので、この分野の人材獲得競争もそれに伴い激化していくことが予想されます。