金融商品取引業用語集












 本ページでは、金融商品取引業用語集を掲載しています(※内容は随時、追加更新していきます)。

○金融商品用語集①金融商品取引業

 金融商品取引業とは、金融商品取引法に規定されている投資性のある金融商品を取り扱う業務のことです。
 金融商品取引業は、第一種金融商品取引業、第二種金融商品取引業、投資運用業、投資助言・代理業の4つに分類されています。
 金融商品取引業の業務には、有価証券(株式、公社債など)・デリバティブの販売・勧誘、投資助言、投資運用、顧客資産の管理が含まれています。
 このように、金融商品取引業は、投資家の投資資産に重大な影響を与える業務を行っていることから、投資家保護と金融市場の健全な発展のために、金融商品取引法に基づく登録を行うことを義務付けられています。

 ちなみに、よく誤解されがちですが、金融商品仲介業(IFA事業者)は、金融商品取引業とは異なります。
 金融商品仲介業は、金融商品取引業を補完する業務、具体的には有価証券の売買等の媒介や有価証券の募集もしくは売出しの取り扱い等の業務を行っています。
 金融商品仲介業も金融商品取引法に基づく登録を行う必要があります。

○金融商品取引業用語集②金融商品取引法における有価証券

 全ての有価証券が金商法における有価証券とされているわけではありません。
 有価証券とは、財産的価値のある権利を示す証券であり、その権利の移転や行使に証券が必要とされているものです。
 これらの有価証券は各種の法律にその根拠が定められており、私法上の有価証券としては、手形法に基づく手形、小切手法に基づく小切手、商法に基づく貨物引換証・倉荷証券や国際海上物品運送法に基づく船荷証券等がありますが、これらは、いずれも流通性は認められるものの、投資対象性が認められないため、金商法における有価証券とはされていません。
 金商法における有価証券は、金商法2条1項各号に次のように規定されています(松尾直彦『金融商品取引法〔第6版〕』pp.61~62の[図表3-2]から引用)。

・公的証券グループ(法2条1項1号~3号)
 国債証券、地方債証券および特別法人債権

・社債券グループ(4号・5号)
 資産流動化法に規定する特定社債券および社債券

・出資証券グループ(6号~8号)
 特別法人出資証券、優先出資法に規定する優先出資証券、資産流動化法に規定する優先出 資証券・新優先出資引受権証券

・株券グループ(9号)
 株券および新株予約権証券

・信託グループ(10号~14号)
 投資信託・外国投資信託の受益証券、投資証券・新投資口予約権証券・投資法人債権、外国投資証券、貸付信託受益証券、特定目的信託受益証券および受益証券発行信託受益証券

・コマーシャル・ペーパー(CP) (15号)

・抵当証券(16号)

・外国証券・証書グループ(17号・18号)

・カバードワラント(19号)

・預託証券・証書(DR) (20号)

・政令指定証券・証書(21号)
 海外譲渡性預金(CD)および学校債権(令1条)

金融商品取引業用語集③:登録金融機関

 銀行、共同組織金融機関、保険会社(外国保険会社等を含む)、証券金融会社、商工組合中央金庫等の金融機関は、有価証券関連業または投資運用業等を行うことを禁止されています。
 しかし、内閣総理大臣の登録を受けることで、これらの金融機関は、登録禁輸機関として本来これらの金融機関が原則として禁止されている一部の有価証券関連業務を行うことができるようになります。
 これらの金融機関は、明示的に投資助言業務のような、投資運用業および有価証券関連業以外の金融商品取引業を行うために、金融商品取引業者として登録を受けることを禁止されているわけではありませんが、登録金融機関制度があることで、金融機関が、金融商品取引業者として登録を受けることは基本的に想定されておらず、登録金融機関として登録を受けることが想定されています。
 登録金融機関は、登録を受けることで次のような業務を行うことができます。

①投資助言・代理業
②書面取次ぎ行為
③国債等の売買
④デリバティブ取引
⑤有価証券の募集又は私募

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