投稿

12月, 2023の投稿を表示しています
イメージ
  投資助言・代理業に登録する際の職務経験の要件:④内部監査担当者  内部監査担当者は、業務プロセスの評価、リスク管理の評価、内部統制の評価、情報システムの評価、法令遵守の評価、業務改善提言の作成を通して、投資助言・代理業者の行っている業務の適正性や法令順守状況を確認するための内部監査を行うことをその役割としています。さらに、監査結果を報告し、改善策の実施状況の確認も行います。  このような職務を行う内部監査担当者には、金融商品取引業における内部監査の知識や経験が求められると同時に、登録の際には、次のような職務経験や能力が求められます。 ①金融商品取引業者での監査役や内部監査担当者としての最低3年程度の実務経験が必要です。 ②金融商品取引業者以外での監査役や内部監査担当者としての実務経験がある場合は、顧問弁護士等の外部のサポート体制を構築することで登録を受けられる場合があります。 ③実務経験者を確保できない場合は、金融商品取引業の内部監査に関する知識や経験を有する外部の弁護士や行政書士に外部委託をすることで登録を受けることもできます。ただし、外部委託する場合でも、内部監査担当者は自社に置く必要があります。  投資助言・代理業への登録をご希望のお客様からご相談を受けた際、最も確保するのが困難なのがこの内部監査担当者になります。  加えて、外部のサポート体制を構築するために、サポートしてくれる専門家の数も限られ、内部監査体制を整えられず、登録を断念されるお客様が多いのが現状です。
イメージ
  投資助言・代理業に登録する際の職務経験の要件:③コンプライアンス担当者  投資助言・代理業者において、コンプライアンス担当者は、法令遵守状況の確認、内部規定遵守状況の確認、顧客対応の適正性の確認、業務改善提言の作成などを通して、日々の業務における法令遵守や内部規定の遵守状況を確認し、適切な業務運営を行うための指導・助言をその職務としています。  このような職務を行うコンプライアンス担当者には、金融商品取引業及び金融商品取引法におけるコンプライアンスに関する知識や経験が求められると同時に、登録の際には、次のような職務経験や能力が求められます。 ①金融商品取引業におけるコンプライアンス担当者としての実務経験が最低3年程度必要となります(※2007年9月30日に施行された金融商品取引法以前のコンプライアンス担当者としての経験では知識・経験として基本的に認められません。従いまして、金融商品取引業者でコンプライアンス担当者として勤務経験のある方の採用を検討する際は、その方のコンプライアンス担当者としての勤務期間が2007年9月30日以前なのか以後なのかをよくご確認の上採用を行ってください)。 ②ただし、実務経験が3年未満の場合でも、弁護士として金融商品取引業関係の案件を扱った経験がある方や外務員資格を保有している方、業界団体や協会で実施されている各種研修の履修をされた方などは、登録審査の際にプラスに評価されるようです。  十分な職務経験や能力を持つコンプライアンス担当者を確保できない場合、「弁護士等の社外の専門家にコンプライアンス業務を外注することで対応できますか?」というご相談をいただくことがありますが、一切社内にコンプライアンス担当者を置かずに投資助言・代理業の適切な業務運営をしていくことは実際には困難であり、外部に委託する場合でも、コンプライアンス担当者を置いていただかないと登録は非常に困難となります。  また、そもそもコンプライアンス業務を受託できる専門家は少なく、行おうとする業務やその規模にもよりますが、外部委託する際の業務報酬も高額になりがちなようです。
イメージ
  投資助言・代理業に登録する際の職務経験の要件:①経営者 ◇経営者に求められる職務経験の要件  ここでは、投資助言・代理業に登録する際に経営者の職務経験の要件について解説していきます。  経営者には、経営能力や資質、コンプライアンスやリスク管理に関する知識や経験が求められます。加えて次のような職務経験や能力が求められます。 ①金融商品取引業者の役員としての経験。経験年数は、最低3年程。合算でも可です。 ②金融商品取引業者の役員ではないが、他業種での役員経験がある場合、資格取得や講習会への参加、外部の専門家のサポートを受けられる体制の構築等によって、金融商品取引業に関する知識や経験を補完することで登録を受けることは可能です。 ③役員経験は無いが、金融商品取引業者での管理職としての経験がある場合は、経営に関する資格取得やセミナー参加で知識や経験を補完することで登録を受けられる場合もあります。しかし、全く会社(自営業でも可)の経営経験も、金融商品取引業者での業務従事経験も無い方の場合は、登録を受けることが極めて困難となります。  「管理職としての経験はあるのですが管理職としての経験では職務経験として認められないのでしょうか?」というご相談をいただいたことがあるのですが、ここで求められているのは、経営者として投資助言・代理業を経営していく能力になりますので、管理職としてのマネジメント経験のみの場合、この経営能力という観点からは、不十分ということになってしまいます。 ◇補足:法人の常務に従事する役員に求められる職務経験の要件  補足になりますが、法人で登録する場合は、常務に従事する役員にも、金商法等の関連諸規制や監督指針で示している経営管理の着眼点の内容を理解し、実行するに足る知識・経験、及び金融商品取引業の公正かつ的確な遂行に必要となるコンプライアンス及びリスク管理に関する十分な知識を有することが求められます。  そのため、常務に従事する役員には、金融商品取引業者又は登録金融機関で十分な職務経験を有する方が1名以上必要となります。